東京経済大学の葵友会武蔵野支部と陸上競技部は2026年1月31日(土)、葵陵会館大学食堂において、本学卒業生で「第25回夏季デフリンピック競技大会 東京2025」男子400メートル、男子4×400メートルリレーの金メダリスト・山田真樹選手(2020年コミュニケーション学部卒)による凱旋講演会を共催しました。本講演会は、同支部にとってはコロナ禍を経て6年ぶりとなる新春懇親会の中で実施されたものです。
山田選手は、デフリンピック100周年の節目となった東京大会で、大会広報ポスターのモデルや選手宣誓の大役を務めるなど、大会の周知に大きく貢献しました。講演では、2021年のブラジル大会において新型コロナウイルスの影響で途中棄権を余儀なくされ、スタートラインにすら立てず気力を失いかけたとき、世界中の友人から届いたエールが再起の糧になったというエピソードを披露しました。
また、2025年7月に誕生した長女の存在についても触れ、今後は「パパアスリートとしても活躍したい」と決意を語りました。大会直前の数カ月間は体調不良に悩まされ、大会の知名度向上に向けた活動がメダル獲得への重圧となり、焦りを感じる時期もあったと振り返りました。しかし、夫人から届いた手紙をきっかけに「レースを楽しもう」と気持ちを切り替えることができたと明かしました。
今大会の男子400メートルでは、自己ベストを更新する日本デフ新記録を樹立し、同大会日本選手団初となる金メダルに輝きました。また、男子200メートルでも銀メダルを獲得したほか、男子4×400メートルリレーではアンカーとしてチームを牽引し、見事に金メダルを手にしました。
山田選手は「メダルを手にできたのは自分だけの力ではない」と強調し、夫人の支えや、同級生と共に試行錯誤しながら学んだ東京経済大学での4年間が、世界と戦うための土台になったと語りました。最後に、多くの観客で埋まった競技場の景色を振り返り、デフの子どもたちに勇気を与え、手話という言語やデフリンピックの認知度をさらに高めていきたいという展望を示し、講演を締めくくりました。
山田真樹選手のインタビューは、『東京経済大学報 2025年度第5巻第2号(新春号)』にも掲載されています。