

東京経済大学現代法学部で環境社会学や障害学を研究する野澤淳史准教授による、水俣病被害と旧優生保護法の関わりを解説する記事が、2026年2月27日(金)付の西日本新聞に掲載されました。
野澤准教授は、胎児性水俣病の症状がありながら患者認定を棄却され、さらに旧優生保護法のもとで不妊手術を強いられた女性の歩みを通じ、戦後日本が抱える社会構造の問題について指摘しています。
記事によると野澤准教授は、この女性について「公害被害と障害の経験が具体的に交差する人生を生きてきた。両側面から『暴力』を受けてきた存在だ」と述べ、企業活動を優先した結果の「産業公害」と、特定の命を差別する「優生思想」という二つの問題が切り離せない関係にあることを解説しています。
さらに、新潟水俣病の際に行われた「受胎調節指導」に触れ、「この指導には障害がある子どもを不幸と決めつける優生思想の価値規範を当てはめており、根拠法は優生保護法だと考えられる」との見解を示し、公害被害者が社会の中でどのように扱われてきたのかを歴史的な視点から考察しています。
また、現在の水俣病認定審査において、居住地域や家族内の認定患者の有無を重視する2014年に出された国の基準が、新たな被害者の救済を妨げている現状についても言及し、産業公害が多発した時代において社会が障害者をどのように位置付け、その生を価値付けていたのかを知る必要があると提言しました。
西日本新聞の記事はこちら:二重で失った私の尊厳 水俣病、強制不妊…問う命愛でる世を目指して 水俣病70年
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