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オンライン授業に関する学長メッセージ

新型コロナウイルス感染症は、1月以降世界的に拡大の一途をたどり、いまだ終息が見えない状態となり、日本でも緊急事態宣言が出されました。本学は、東京都からの要請に応えると同時に、学生の皆さんや教職員の安全と健康を守ることを最優先し、現在、大学構内への立入り制限を厳しくしています。

皆さんは、外出を必要最低限にとどめ、自分の安全を確保し健康に気を配っていますか。自分自身はもとより、自身の大切な人たちを守るためにも、多くの人との接触を避け、極力自宅で過ごすことを心がけてください。

このような状況の中、4月22日からの第一学期授業は、キャンパスで対面授業を実施することは危険であると判断し、当面の間、オンラインや遠隔で授業を実施することといたしました。

対面での授業でないことに不安や不満を持っている皆さんもいるかと思いますが、学生の皆さんの「学びを止めない」を合言葉に、教職員一同、一丸となって皆さんに満足してもらえる授業を考え、準備を進めています。授業情報は、絶えず更新されますので、大学からの発信情報をこまめに確認し、授業に取り組んでください。

学びには様々なかたちがあります。「宴」が禁止された今は、「孤心」に還り、自らの力で学びを深める時期と考え、オンラインでの授業に向き合っていただきたいと思います。担当教科の先生方の指導の下に、または自分独自の方法でも予習・復習を十分行ってください。

もう一つ、私からのお願いがあります。それは、このような状況を、むしろチャレンジをする絶好の機会と捉え、読書の習慣を身につけてほしいということです。読書は、皆さんの思考の材料となる知識を増やし、視野を広げ、皆さんの想像力、判断力、共感力を鍛えます。このことから、読書は皆さんを真の意味で「自由な人間」にします、と私は入学式等でしばしば述べてきました。

本日とくに強調したいことは、読書の習慣よって皆さんの読解力は確実に向上し、読書によって培われた読解力はあらゆる学問をするうえで基礎力となる、ということです。ちょうど、肩を壊して投球できない投手がひたすら走り込むこむことによって下半身を鍛え来期に備えるように、皆さんも広い意味での読書(新聞等を含む)を習慣づけることによって、学問をする上での基礎体力を鍛えておいてください。

キャンパスでの授業が可能になったとき、個々がじっくりと向き合ってきた学びの成果を存分に発揮してもらいたいと願っています。キャンパスで皆が集える日を心待ちしながら、それまでは、どうか責任ある東京経済大学生として自宅で真摯に勉学に取り組んでください。

逆境の中にあっても前へ進む、これこそ本学創立者大倉喜八郎が本学学生に期待した「進一層」の精神です。どうか、皆さん、逆境のいまこそ、この「進一層」の精神でもって前へ進んでください。

2020年4月16日  東京経済大学学長 岡本英男