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国分寺キャンパスの自然環境上の特徴

国分寺崖線について

本学国分寺キャンパスは東北に直角を持つおおよそ直角二等辺三角形の形状をしています。国分寺キャンパスの自然環境上の特徴として、国分寺崖線が貫いていることが挙げられます。国分寺崖線は武蔵野台地に多摩川が刻んだ河岸段丘地形のうち、武蔵野面と立川面の間にある崖の事を言います。立川から国分寺、小金井、三鷹、調布を通って世田谷まで20kmほど続く崖線沿いには一つ一つは小規模ですが樹林が点々とあり、全体として多摩地域を東西に貫く緑の回廊をなしています。国分寺キャンパスにも樹林があり、西の殿ヶ谷戸庭園、東の貫井神社境内・弁天公園と住宅地を挟んで連なっています。

出典:国分寺市「震災対策基礎調査報告書(地形・地質地盤編)」(昭和50年) 国分寺キャンパスは図中の国分寺駅と野川の間に対応する段丘面におおよそ位置します

武蔵野台地の基部には第四紀更新世前期に海底で形成された堆積岩の層が見られます。更新世中期に海岸線が後退した後、約7~10万年前に多摩川が流路を変えながら流れ武蔵野面となる扇状地ができました。そしてその堆積岩層の上部に礫層が作られました。武蔵野面の地下に見られる礫層は武蔵野礫層と呼ばれます。その後多摩川の流路の範囲が狭まることで浸食が進み、立川面ができました。武蔵野面・立川面ともに表面には約1~数万年前に堆積した火山灰からなるロームが見られます(武蔵野面では武蔵野ロームと立川ロームの二層、立川面には立川ローム一層が見られます)。武蔵野礫層は地下水の帯水面となり、これが崖部に露出した地点から湧水が生じています。国分寺崖線に点在する湧水からの水を集めて流れるのが本学の南を通る野川です。国分寺キャンパスにも東側の崖線下に湧水が見られ、この水は新次郎池を満たしたあと、野川に流れ出します。新次郎池は以前に山葵田として利用されていたものを整備したもので、2003年に東京の名湧水57選に選ばれています。

国分寺キャンパスについて

国分寺キャンパスの自然環境は、この国分寺崖線を境に北側の武蔵野面上に位置する部分、崖線部分、崖線下の部分の3つに大きく分けられます。

この中で、最も面積が広いのは崖線北側の部分で、大部分の建物はここに建てられています。ここは学生・教職員が活動する主なエリアです。ここでは樹木は植栽されており、正門から続くソメイヨシノの桜並木、葵陵会館前のケヤキ、1号館と2号館の間のイチョウ並木などが人々の目を楽しませています。北側から東側にかけての外構部には、主にヒマラヤスギ、アカマツ、ヒノキ、シラカシなどの常緑樹・針葉樹を中心とした樹木が植えられており、近隣に落葉の影響を及ぼさないよう配慮が行なわれています。

このエリアでは100周年記念館前などに草本性植物が生える広場があり、セイヨウタンポポ、ハルジオン、ヒメジョオン、シロツメクサなどの外来性植物とホトケノザ、ハハコグサ、ムラサキケマンなどの在来植物が混生しています。ここでは頻繁に草刈りが行われており、市街部の空地等で典型的な草本植生になっています。

また、1号館、大倉喜八郎 進一層館(フォワードホール)、第一研究センターに囲まれたエリアには、市街地では見ることのできない植物を植えた山野草園が造られており、ホタルブクロ、ホトトギスといった花が咲いています。

崖線部分は現在では人の影響が最も少ないエリアで、大倉喜八郎 進一層館(フォワードホール)と第二研究センターの建物の一部がこのエリアに張り出して建てられている以外は、利用されずそのままに保たれています。このエリアでは、武蔵野の雑木林を構成する中心的樹種であるケヤキ、エノキ、コナラなどが多く見られます。一方、本来の植生ではないヒノキ(過去に植栽されたと思われます)やシュロやトウネズミモチ(人の手によって持ち込まれたものが野生化したと思われます)なども見られます。特にシュロ・トウネズミモチは今後増加する可能性があり、注意が必要です。下草は西側にササが多く、また大倉喜八郎 進一層館(フォワードホール)脇を通って崖下に通じる階段付近には外来種のトキワツユクサの群落も見られます。東側の新次郎池に向かう谷筋の斜面は湿気が多くシダの下草が見られます。このエリアでは、特に周辺部の半分は日が当たり半分は樹冠に覆われるような場所に、現在では里山的環境でなければ見られない草本植物が自生しています。崖線部分の樹林は、人の管理の影響が大きく見られる殿ヶ谷戸庭園、貫井神社境内・弁天公園の林(下草がほとんど刈り取られており、落葉広葉樹の占める割合が低くなっています)と比べると、その景観が異なります。このことは崖線全体で見た時に、この地域の生物多様性を高めていると考えられます。このことからも、このエリアが国分寺キャンパスの自然環境としては最も重要であり、その維持に特に注意を払わねばならない区域であるといえるでしょう。

崖線下の部分は、前述した新次郎池から流れ出る小さな流れの西側から南門付近の広場まで繋がるエリアです。ここには建物は建てられておらず、南端の一部区域が教育用の畑として開墾され野菜の栽培が行われています。新次郎池周辺にはベンチが配され、散策の場として利用されています。このエリアは南に行くほど日当たりがよくなって、様々な種類の草本植物が見られます。春から秋にかけては近隣の子供たちが虫取りの場として利用しているところが見られます。ただし、このエリアも市街地の草地という意味では例外でなく、ヒメオドリコソウ、オオイヌノフグリ、ハナダイコンなどの外来性草本が大きな割合を占めています。

国分寺キャンパスで見られる動物

国分寺キャンパスでは、動物も多種多様なものが見られます。哺乳類ではタヌキ、ハクビシン、モグラ、コウモリが確認されています。タヌキの行動圏から考えると、本学キャンパスの中でその生活が完結しているとは考えられず、本学キャンパスが近隣の緑地と一体となっていることの重要性を読み取ることができます。また先述の教育用畑ではトウモロコシなどの食害が起こっており、近隣での目撃情報からもアライグマがキャンパスを利用していることも十分予想されますが、まだ確認はされていません。鳥では、ムクドリ・ヒヨドリ・ジョウビタキ・モズ・オナガなどの都市鳥が見られ、シジュウカラ・カラス・キジバト・カルガモの繁殖が観察されています。外来性の鳥としては、ワカケホンセイインコとガビチョウが見られます。爬虫両生類では、アオダイショウ、ニホンヤモリ、ニホンヒキガエルが多く見られ、また新次郎池から流れる水で繋がる野川にはイシガメ・クサガメ・スッポンといった在来のカメ類が外来のミシシッピーアカミミガメと共に見られます。新次郎池には魚は生息していませんが、サワガニと外来のアメリカザリガニは見る事ができます。昆虫は700種以上が確認されています(現代法学部3年生の岡山慎作氏の個人的調査の結果による)。このような多様で豊富な昆虫は多様な植物に支えられており、この昆虫・植物が脊椎動物を支えていると考えられます。本学の自然・生態系を保全するため、多種多様な植物・昆虫を保護してまいります。

温暖化とキャンパスの自然

近年地球温暖化とともに、生物の分布に影響がでているのではないか?という話がしばしば聞かれます。本学キャンパスでも、西日本に分布の中心があるシロバナタンポポや南方性のクモであるスズミグモが発見されています。

  • 新次郎池

  • 桜並木

  • イチョウ並木

  • ムラサキケマン

  • 崖線下の草地とハナダイコン

  • フタリシズカ

  • ホウチャクソウ

  • モグラ

  • オナガ

  • スズミグモ