Q：私のゼミの学生は、
全員が1,000万円分の株を買います。
なぜ、そんなことができるのでしょう？

A：実在する上場企業のデータで 株取引を体験できる バーチャル投資ゲームをやっています。

私のゼミのテーマは、「金融・証券投資の理論と応用」です。テキストの輪読で基礎的な知識・理論を身につけたり、金融のレポートコンテストに参加したりしますが、学び始めてすぐに「金融」を実感として理解するというのは、なかなか難しいものです。

そこでゼミで最初に取り組んでいるのが、バーチャル株投資ゲーム。東京証券取引所に上場している株式のリアルなデータを使って、本番さながらの株取引を体験できるウェブサイト上のゲームです。ゼミ初日に「１,000万円あげるから好きな株を買いなさい」と学生に伝え（笑）、３カ月後の総資産額を競ってもらうことにしています。

ただし重要なのは、知識・経験ゼロでの投資で「資産が増えたか・減ったか」ではありません。シミュレーションとはいえ、現実の投資の世界に触れることで、学生たちは金融に対し、自身と社会とに実際に大きな影響を与える現在進行形の現象としての関心を高めていきます。米大統領選やコロナ危機などの社会情勢を気にし始めたり、まだ世に知られていない優良企業を探そうと企業ニュースをチェックしたり。理論をしっかりと学ぶ一方で、実社会と株式市場のリンクを肌で感じ取る──。その相乗効果で、金融への理解をより深めてもらえたらと思っています。