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Q:幼少期、メキシコで出会った
ある少年の存在が、私の研究の原点です。
彼は何をしていたと思いますか?

経営学部 丸谷雄一郎教授

東経大教員QUIZ

 
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A:タクシーの窓拭きで お金を稼ぐ少年の姿に、 先進国との格差を痛感しました。

父の仕事の都合で、私はメキシコシティで生まれ、小学校高学年時代をロサンゼルスで過ごしました。アメリカからメキシコ国境を渡った先で、家族とタクシーに乗ったときの出来事が、いまでも忘れられません。信号待ちをしていると、当時11歳だった私と同じ年くらいの少年がタクシーに向かって突進してきました。そして、タクシーの窓拭きの仕事を始めたのです。

自分の同級生くらいの少年が、学校にも行かずお金を稼ぐ姿に、先進国アメリカと途上国メキシコの格差を見せつけられたようで、私は幼心に大きなショックを受けました。その少年と当時のメキシコの光景が忘れられず、「メキシコのためになる仕事をしたい」と研究者への道を志したのです。

いまは、中南米の経済状況などを広く伝えることをライフワークとし、グローバル・マーケティングを専門に研究しています。私の著書『ウォルマートのグローバル・マーケティング戦略(増補版)』は、中南米をはじめとする発展途上国を中心に、市場のいまをウォルマートの経営戦略を通して見つめたものです。「日本」と「メキシコ」という二つの祖国を持った自分だからこそできる研究を、今後も続けていきたいと思います。