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Q:社会科学による
「史上最も偉大な発明」と
いわれる仕組みとは
何でしょう?

現代法学部 田邉真敏教授

東経大教員QUIZ

 
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A:多くの人からお金を集めて事業を行う 株式会社の仕組みは、「史上最も偉大な発明」の一つといわれています。

株式会社の起源は、17世紀初頭のオランダ東インド会社に遡ります。「所有」と「経営」を分離させた株式会社という存在なくしては、現代社会の高度な発展はありえませんでした。株式会社とは、今日の経済活動を支えるインフラであり、まさに「最も偉大な発明」といってよいでしょう。

株式会社には、「出資者が会社の所有者となる」「法人格を有する」「出資者は出資額を超えて会社の債務に責任を負わない」などの特徴があります。そして、それらの特徴に基づき株式会社の組織と運営に関する基本的なルールを定めているのが「会社法」です。

製品データの偽装や粉飾決算などのニュースを目にしたことはありますよね。「会社法」はそういった事件が起きないようにする、いわば"防波堤"のようなもの。株式会社の内部者である「出資者」(株主)と「経営者」(取締役など)の利害、そしてそれら内部者と外部者である「債権者」(銀行や取引先、労働者)の利害をそれぞれ調整して、どのような体制であれば不祥事を防止し、健全な経営を保つことができるかを考えていきます。

このとき、法規制が過剰になってしまうと、機動的な企業運営ができなくなり、会社の発展が妨げられます。そのバランスの取り方、つまり、経営の健全化のために最適な規制のあり方は、とても難しい問題です。そのためには、法学のみならず、経済学や経営学の深い知見も求められます。