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日本語 ENGLISH

Q: 高校まで英語が苦手だった私。
“学んだ”単語や表現を
“使える”知識に変えた
ある方法とは何でしょう?

全学共通教育センター
中川知佳子准教授

東経大教員QUIZ

 
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A:「この意味は何?」「どう表現する?」と
しばらく悩んだ後に、正解を知る方が
記憶が定着することに気がつきました。

高校1年生の頃は、英語が苦手でした。英語への向き合い方が変わったのは、夏休みにオーストラリアでの研修に参加した後、ホストファミリーと文通するようになってからです。例えば、「元気ですか?」と伝えるのに毎回 “How are you?” だとつまらない。ほかにどんな言い方があるかを考えたり、相手の言い回しを真似たりする中で “I hope this email finds you well.” など色々な表現を自然と使えるように。「伝えたい表現」や「理解したい表現」が目の前にあって、それについてしばらく自分で悩んだ後に、正解を教えられたり辞書で調べたりする方が、よく覚えられるという感覚がありました。

ほかにも例えば、“The number of computers in schools has mushroomed in recent years.”という文章を読んだ時、すぐにmushroomの意味を辞書で調べるより、色々な文脈で推測をしてから正解(=急激に増加する)にたどり着く方が記憶がよく定着する、といったことも感じていました。

その後、大学院で語彙習得についての文献や論文を読み、高校生の頃に感じていた素朴な疑問や感覚が、「未知語の推測」「付随的語彙学習」などという形で既に研究されていることを知りました。そして、こうした研究が言語教育にも活かされていることにも興味を抱き、第二言語習得に関する研究の道に進むことになりました。

いま、英語教育では、“World Englishes” や “English as a Lingua Franca” という考え方が広がり、非英語圏を含めた多様な英語、意思疎通の手段として変化・創造する英語を受容する方向へと変わり始めています。英語によるコミュニケーションの重要性が一層高まりつつある今日、自信を持って英語を使いこなしたい人も、英語に苦手意識がある人も、「言語習得」の学びに触れてみませんか。