── 1年間休学して、イギリスに語学留学したそうですね。
大学2年生の春から1年間、東経大の協定校であるイギリスのチチェスターカレッジに語学留学をしました。でも行った当初は、ホストファミリーが説明してくれる家のルールすら聞き取れず、コミュニケーションがまともに取れない状態で……。学校の授業が終わってからも毎日夜まで必死に勉強しました。半年くらい経った頃、ふと気がつくと自然に会話ができるようになっていたという感じです。週末になると、バックパックを担いでギリシャやポルトガルへ旅行したのも忘れられない思い出です。
渡航前は450点ほどだったTOEICのスコアは、帰国後880点まで上がりました。この英語力が落ちないよう、東経大の「コトパティオ」には頻繁に通って、ネイティブのスタッフとコミュニケーションを取るようにしていました。
── 大学で成長したと思うのは、どんなところですか。
自分自身が一番変わったと思うのは、留学を機に、「失敗しても何とかなる」というマインドになったこと。言語も文化も違う国でたくさん失敗したり恥をかいたりしたことで、完璧じゃなくてもやってみることが大事だし、その先に自分の知らない世界や新しい出会いがあるんだと気付かされました。
それから、イギリス時代を含めた5年間の学生生活を通して、「何かを実現させるために動く力」がついたと思います。例えば、どうすれば在学中に英語力を磨けるか。留学中の生活費をどう捻出するか。希望のゼミで研究するにはどんな準備が必要か、等々。どんな局面でも、「考える力」「情報収集能力」「行動力」は必要とされるし、今後も活かせると思います。
── ゼミでの学びで、特に印象深いのはどんなことでしょう。
「甲子園は高校生のアマチュアスポーツなのに、なんであんなに注目されるのか?」「オリンピックにこれほど国民が熱狂するのはなぜか?」。これらは実はメディアと深い関わりがあるのですが、そうした身の回りの事象に「なぜ?」と疑問を持つ姿勢は、メディア史が専門の松永智子先生のゼミで鍛えられました。また、僕は普段から小さなノートを持ち歩いて、テレビ等で気になったニュースや企業、ふと思いついた疑問などをメモするようにしており、この習慣がゼミでの研究にも就活にも役立ちました。