鈴木忠志さんが、20世紀後半から21世紀にかけての、世界で最も傑出した演出家の一人であることを否定する人はいないでしょう。その活動は、ギリシャ悲劇、シェイクスピア、イプセン、チェーホフから日本の近代演劇を独自の思想で解釈する世界水準の舞台を作ってきたということに留まりません。有名なスズキ・トレーニング・メソッドも単なる俳優訓練法ではなく、人間の身体がどのようなメカニズムでできているかという科学的思考と、舞台俳優が自らの心身からどんなエネルギーを引き出して独自の表現を可能にするかという哲学に裏打ちされたものです。また、SCOTの本拠地として2025年に50周年を迎える富山県の利賀芸術公園も、単なる演劇創造の場というだけでなく、芸術活動を通して社会を変革する「同志」たちが世界中から集結する場所という意味での「聖地」なのです。昨年出版された岩波書店の雑誌『思想』や、日本経済新聞での連載「私の履歴書」で、演劇人に留まらず多くの人にその偉業を知られるようになった鈴木さんの肉声を聞く、またとない機会です。多くの方のご参加をお待ちしております。
【聞き手】本橋哲也 東京経済大学コミュニケーション学部教授
国際演劇評論家協会日本センター会長
日 時 | 2025年3月15日(土)15:00~17:00 |
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場 所 | 東京経済大学 国分寺キャンパス 大倉喜八郎 進一層館 ※お車でのご来場はご連慮ください。 国分寺キャンパスへの行き方 |
参加費 | 無料 |
申込方法 |
事前申込制。 |
予約締切 |
3月10日(予約優先) |
問い合わせ先 |
042-328-7718 鈴木忠志氏講演会事務局(総合企画部) |
主 催 | 東京経済大学「鈴木忠志氏講演会」実行委員会 |
1939年静岡県清水市生まれ。1966年劇団「早稲田小劇場」を創立。1976年富山県利賀村に本拠地を移し、合掌造りの民家を劇場に改造して活動。1982年より日本で最初の世界演劇祭を開催。世界各地での上演活動や共同作業など国際的に活躍するとともに、俳優訓練法スズキ・トレーニング・メソッドはモスクワ芸術座やニューヨークのジュリアード音楽院など世界各国の劇団や学校で学ばれている。1974年、岩波ホール芸術監督。公益財団法人利賀文化会議理事長。
情報誌「imidas2001」(集英社)の「20世紀を創った人々550」では、演劇の分野で、小山内薫(作家・演出家、築地小劇場創立者)、小林一三(阪急・東宝グループの創立者)、大谷竹次郎(松竹株式会社の創立者)、杉村春子(女優・文学座)、浅利慶太(演出家・劇団四季代表)らと並んで6人のうちの1人に数えられ、「理論・実践・教育・組織運営における新しい演劇人の在り方を示す代表的な存在である」と評されている。
ケンブリッジ大学が刊行している20世紀を主導した演出家・劇作家21人のシリーズに、メイエルホリド(露)、ブレヒト(独)、ピーター・ブルック(英)、ハロルド・プリンス(米)、ムヌーシュキン(仏)、ロバート・ウィルソン(米)などとともに、アジア人としてただ1人選ばれ、すでに『The Theatre of Suzuki Tadashi』として出版されている。
フランスから芸術文化勲章、ロシアからスタニスラフスキー賞、ユネスコからタリア賞を受賞。
*内容等変更がある場合は、東京経済大学のホームページでお知らせします