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理念・目的・教育目標

コミュニケーション学研究科は、わが国最初の学部として発足したコミュニケーション学部を基盤に、1999年にまず修士課程(入学定員20名、収容定員 40名)が設立されました。さらに2年後の2001年に修士課程の完成をうけて博士後期課程(入学定員5名、収容定員15名)が設立されました。アメリカなどにはコミュニケーション学系の学部、大学院は数多く存在しますが、日本においては、本研究科が初めてのコミュニケーション学の大学院修士課程、博士課程です。

そのため、本研究科においては、既存の学問体系を取り入れるより、新たなコミュニケーション学を創成することを目指しています。具体的には、コミュニケーション理論、歴史、思想、実証的調査を密接に結びつけた教育研究、社会学、心理学、社会心理学、歴史学、政治学、広告学、広報学など隣接学問との重なりあいをいかした学際的教育研究、現在大きく変動しつつあるコミュニケーション状況メディア状況を常に視野にいれたアクチュアルな教育研究を三つの柱としてコミュニケーション学を切り開こうとしています。

2003年度には、博士課程の第1期生が博士論文を提出し、研究科委員会の厳格な審査を経て博士号を授与されました。

本研究科は、学部から進学した学生はもちろんですが、留学生、社会人を積極的に受けいれてきています。これまで、中国、韓国、台湾、ベトナム、ポルトガルなどから多様な来歴をもつ留学生を受けいれてきました。彼らの多くは、それぞれの国へ帰り、大学、広告、国際企業等へ採用されました。

また、民間研究機関職員、一般企業の広報担当者などコミュニケーション活動で一定の社会的経験をもつ社会人も受けいれています。

2007年には「シニア大学院制度」が始まりました。また2017年には「博士後期課程のシニア入試」が全国で始めて導入され、2020年からは長期履修学生制度が導入されます。

学部からの進学者、留学生、社会人、シニアなど多様な学生が在籍し、相互に刺激的な関係をよって、研究科の教育研究を活性化する効果をあげていくことも本研究科の目指す教育です。

これまでの修士号授与者は、156名です(2019年3月末現在)。2003年度に、最初の課程博士の学位を授与して以来、これまでに20名の修了生に博士号を授与しました(2019年3月末現在)。さらに2005年3月には、論文博士の第1号を、2014年3月に第3号を授与しました。

また、本研究科は、茨城大学大学院人文社会科学研究科との間で、単位互換制度を発足させています。

2003年の本研究科の完成を機に、コミュニケーション学の重要な領域である国際的情報流通の問題をテーマに「日本の国際情報発信」と題するシンポジウムを本研究科の主催で、プレスセンタービル会議場で開催しました。これには外務外務報道官、AP通信社、共同通信社など現在の日本の国際情報発信の第一線で活躍されている方々をパネリストに招き、活発な討論をおこない、大きな反響をよびました。その記録や本研究科教員の国際情報発信に関する研究論文が、『日本の国際情報発信』(芙蓉書房出版)として刊行されています。