本研究科は、学部で身につけた広い教養を基礎として、経済学の専門的能力を磨き上げ、職業生活でそれを存分に活用できる人材を育成することを、理念としています。
本研究科の第一の目的が、本研究科設立以来の伝統を踏まえて博士後期課程を充実させ、研究者や博士学位取得を必須とする高度専門職業人を養成することにあることは変わりありません。
とくに外国人留学生のなかには、日本で一定年限内で博士学位を取得することを条件に、すでに母国の高等教育機関に就職し、またはこれへの採用を約束されている人たちが少なからずいます。このような留学生たちに博士学位取得という所期の目的を達成させることは、本研究科の教育目標の一つです。
第二の目的は、学部教育と修士課程教育とを連結して6年間一貫教育を充実させることです。これによって、学部卒業生を超える高い資格能力を身につけた専門職業人を養成することが、本研究科の教育目標の一つです。
そこで本研究科は、学部学生の大学院進学意欲をそそるために、一定条件のもとで学部学生の大学院科目履修を認め、また成績優秀な本学経済・経営学部学生を口述試験のみで選考する、学内選考入試制度をすでに始めています。
第三の目的は、留学生教育です。できるだけ多くの国から留学生を受け入れて、修士・博士学位取得という目標を達成させることは、本人の経歴上昇志向にそうだけでなく、日本人学生、留学生かともに国籍、民族を超えた共生意識を分かちあうようになるための、貫重な機会となります。
日本の将来にとってもきわめて重要な意義を持つこの課題を積極的に担うことが、本研究科の教育目標の一つです。
第四の目的は、現役職業人に再教育の場を、また、職業生活から引退した人たちに、これに代わる生き甲斐となる研究生活の場を提供することです。
日本人の平均余命や健康余命が世界最高水準に達した今日、生涯学習の最高目標として修士・博士学位論文作成を目指す研究意欲に溢れた高齢者に、その目標達成が叶えられるようにお手伝いをすることも、本研究科の大事な教育目標の一つなのです。