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教養探求プロジェクト

関心のある教養分野を深める「教養探求プロジェクト」

学部の専門科目の学びと並行したかたちで、自分の興味のある「教養」系の学問分野について、「教養講義科目」と教養(総合教育)科目関連の「演習系科目」をとおして深く探究し、所定の諸科目の単位(ゼミや卒業研究などを含む)を取得すれば、卒業時に「教養探求プロジェクト」の正式な修了証が(学部の卒業証書とあわせて)授与されます。なお、就職活動などでの利用を目的とする希望者には3年次2期末に「修了見込証明書」の発行も可能です。

教養探求プロジェクトについてQ&A

どのような制度なのでしょうか?

学部での専門分野の勉強と並行して、自分の興味のある「教養」系の学問分野を深く学ぶことのできる制度です。

具体的にはどのように勉強を進めることになりますか?

自分の探求テーマに関わる講義(「教養講義科目」)や入門的なゼミ系科目からはじめ、ゼミ(「総合教育演習」)で深く学んだうえで、その成果を4年次に卒業研究(「総合教育研究」)に まとめて発表する、というのが基本になります。

この「プロジェクト」を修了した場合、公的な証明書のようなものは出るのでしょうか?

正式な「修了証」が、 学部の学位記とあわせて授与されます。(また、 就職活動などでの利用のため、希望者には3年次2期末に「修了見込証明書」が発行されます。)

参加できるのはどの学部の学生ですか?

経済学部と経営学部です。

科目の履修例

*1 科目名「総合教育演習」/内容は年によって変更あり*2 科目名「総合教育研究」

2021年度よりスタートした、経済・経営学部生を対象とする「教養探求プロジェクト」。教養教育に定評のある東京経済大学が、新たな学習システムを打ち出した理由とは。全学共通教育センタ ーの榎基宏准教授と高津 秀之准教授に聞きました。

興味のある教養系分野で卒業研究にも挑戦できる

ー「教養探求プロジェクト」の内容とは?

榎:
本学では伝統的に、「専門」教育とともに、「教養」教育を重視してきました。教養系科目を束ねる全学共通教育センタ ーが設置されており、4学部と同じように、 ゼミに所属し教養系科目の卒業研究ができるという環境もその表れです。ゼミの分野も、文学、歴史学、哲学、天文 学、プログラミング、スポーツ科学など非常に幅広く、学生から好評を得てきました。今回、そんな学びのシステムをわかりやすく学内外に示すとともに、就職活動にも活用できるよう 「修了証」 で成果を認定する仕組みをつくったのが「教養探求プロジェクト」です。

高津:
さらに新たな試みとして卒業研究に取り組む4年次には、 「アカデミック ・ プレゼンテーション」 という本プログラム独自の科目を設置しました。この科目では、報告資料のつくり方や質疑応答などのスキルを高めるとともに、実際にプレゼンの経験を数多 く積み重ねることになります。

ー学部に所属しつつ「教養」 の学びを深める とは、具体的にどういうことでしょう?

榎:
例えば、経済学部の学生が、環境問題と経済との関わりやESG投資などに興味を持った場合、学部で「環境経済学」などを履修しながら、教養探求プロジェクトで「環境の科学」 や「生命の科学」を履修し、 生物学のゼミで卒業研究にまとめる、といった ケ ースが考えられます。また、 経営学部生が、消費者心理などに興味を持った場合、学部では「消費者行動論」などを履修し、教養探求プロジェクトで「心理学」「精神の科学」などを履修し、心理学のゼミで卒業研究に結び付ければ、心理学により重点をおいた学びがかないます。

高津:
マルクスやケインズなどの経済思想に興味を持った経済学部生が、教養探求プロジェクトの「哲学」や「社会思想」 を扱うゼミでより深く学ぶのも面白いでしょう。可能性は無限にありますから、「こんな観点で研究したい」と学生が独自の学びを追求してくれることを期待しています。

大学での学びは回り道こそ面白い

ー「教養」を身につけることの意義とは?

榎:
まず前提として、大学時代は自分が専攻した分野の学びにきちんと向き合うべきだと思います。ただ、 一つのことを突き詰めようとする際は、「別の観点からも考える」、つまり「 多様な引き出しを持っている」 ことも大変重要です。幅広い教養は、 自分の専門性を強化することにもつながるのです。これは、 学問にも仕事にも通じることだと思います。

高津:
その通りですね。私たち全学共通教育センタ ーは、 「広く深く学ぶ」というモットーを掲げています。これは一見矛盾しているようですが、実際、「広く」学ばなければ、「深く」学ぶことはできないんですよね。

―これから大学で学ぶ人にメッセージを。

高津:
ぜひ、‘‘学問の森 ” で回り道を楽しんでください。周りをキョロキョロ見ながら、 向こ うの小道を歩いてみよう、あの城に入ってみよ う、 といった感じで。最短ルートを追わない方が面白い出会いがあるものですよ。

榎:
そうなんですよね。私は「役に立つか ・ 立たないか」 の判断を急がないことをお勧めします。何の役に立つんだろうと思っていた知識や考え方が、将来思わぬところで使えることは意外にあるものです。学生時代は、純粋に「面白い」と思った学問にどんどん飛び込んでほしいと思います。

高津:
この教養探究プロジェクトが、そんな出会いのきっかけとなることを願っています。全学教養センターには、人文学・社会科学・自然科学にわたるさまざまな分野の教員がいますので、皆さんの多様な知的好奇心に応えることができるはずです。